森を再現したセット「シャネル」18/19年秋冬コレクション、環境活動家からは非難の声
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【3月8日 AFP】カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が手がける「シャネル(Chanel)」は仏パリで6日、18/19年秋冬コレクションを発表した。発表は冬の森をイメージした会場で行われたが、そのセットのために樹齢100年を超える木を伐採し使用したとして、環境活動家から非難の声が上がった。
ラガーフェルドは会場である「グラン・パレ(Grand Palais)」に、大量の落ち葉を撒き、ランウェイ中央には背の高いオークの木を9本植え、森へと変身させた。
女優のキーラ・ナイトレイ(Keira Knightley)や歌手のリリー・アレン(Lily Allen)、カーラ・ブルーニ(Carla Bruni-Sarkozy)元・仏大統領夫人らの姿が並ぶ客席を作るためにも、伐採された木が使用された。
しかしフランス・ネイチャー・エンバイロメント(France Nature Environment)は同ショーを「異端」と非難し、ブランドは「環境に優しいイメージを作り上げようとする一方で、自然を保全するとはかけ離れた行為をしている」と糾弾した。また同団体は、「シャネル」がこのショーで伝えようとしたメッセージは「失敗だった。自然とは、森の木を伐採し、ショーのために数時間植えて、その後捨ててしまうことではない」と続けた。
「シャネル」は6日、西仏国にある森から調達したオークやポプラの木に樹齢100年のものは含まれていなかったと反論した。ブランドは声明で「『シャネル』は木を購入する際、同じ森に新たに100本のオークの木を植樹すると約束している」と説明した。
また同ブランドは昨年、プラスチック汚染がヘッドラインに挙がる中、ポリ塩化ビニル(PVC)をテーマとしたコレクションを発表しひんしゅくを買った。
■まるで実物の森
ファッション評論家たちはセットを称賛した。ファッション誌「ハーパーズ バザー(Harper's BAZAAR)」は、「今回のランウェイは(ラガーフェルドによるもので)過去最高のものかもしれない」と、ラガーフェルドが作り出した「まるで本物の森」は「無限に続いているかのように見えた」と絶賛した。(c)AFP/ Fiachra GIBBONS