【3月7日 AFP】シリア首都ダマスカス近郊の反体制派支配地区、東グータ(Eastern Ghouta)で起きている壊滅的危機に関連し、ゼイド・ラアド・アル・フセイン(Zeid Ra'ad Al Hussein)国連人権高等弁務官は7日、シリア政府が「破局」を画策しており、今後別の場所でも続発するとの見解を示し非難した。

 ゼイド氏は国連人権理事会(UN Human Rights Council)に年次報告を行い、「今月、東グータは国連事務総長の言ったように、この世の地獄だった。来月もその次も、(シリアの)別のどこかで人びとが破局に直面することになる」と指摘。また、「破局を企て、仕組み、実行するのは(シリア)政府内の人々であり、明らかに海外支援者らの一部から全面支援を受けている」と強調した。

 さらにゼイド氏はシリア政府の東グータでの行動について、「法的にも倫理的にも擁護できない」とし、シリア国民に次の悪夢はすぐにでも必然的にやって来ると警告。「急いでこの破滅的な流れを変え、シリア問題を国際刑事裁判所(ICC)に付託する必要がある」と述べた。

 またゼイド氏は東グータから話を広げ、7年にわたる内戦が「新たな恐怖の段階」に突入したと指摘し、北西部イドリブ(Idlib)県の反体制派支配地域で増す暴力、同じく北西部のアフリン(Afrin)で続くトルコの攻撃にも言及。「自国民をそれほど簡単に殺す準備ができているのなら、うそをつくのも簡単だ。自国民を守るためにあらゆる手段を取るというシリア政府の主張は、率直に言ってばかげている」と述べた。(c)AFP