【3月7日 AFP】サウジアラビアで開催予定のエジプト出身の人気歌手ターメル・ホスニー(Tamer Hosny)さんのコンサートを前に、事前販売されているチケットに「踊りや体を揺らすことは禁止」という注意書きが載せられ、ソーシャルメディア上ではこれを嘲笑したりからかったりする批判の投稿が殺到している。

 サウジアラビア初となるホスニーさんのコンサートは同国西部の沿岸都市ジッダ(Jeddah)で今月30日に開催される予定だが、チケットと共に踊り禁止の通達を受け取ったファンたちは仰天したという。

 あるツイッター(Twitter)のユーザーは「紳士淑女の皆さま、シートベルトをお締めください」「会場の廊下や席には揺れ動き感知器が設置されており、揺れたと思われる人は誰でも追い出されます」と投稿。

 また別のファンは「コンサートで踊りや体を揺らすことが禁止だなんて!太陽の下に氷を置いて溶けるなと言うようなものだ」とツイートした。

 極端なまでに保守的な社会で知られるサウジアラビアは現在、近代化に向けた社会改革に取り組んでおり、最近では海外から著名アーティストを招待してコンサートを開催している。会場では男女が踊り出す様子も見られるが、そのような光景はつい近ごろまで考えられなかったことだという。

 社会改革を進めるムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子はエンターテイメントに関する選択肢を増やし、原油価格の下落による助成金の削減に対する不評との均衡を図ろうとしている。一方、サルマン皇太子の改革にイスラム強硬派の聖職者たちは反発している。(c)AFP