米国の電力需要の80%、風力と太陽光発電で賄える 研究
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【3月8日 AFP】米国では、送電と蓄電設備が向上すれば、電力需要の80%を風力発電と太陽光発電で賄うことができるとする研究結果が先月、発表された。
査読学術誌「エネルギー・環境科学(Energy and Environmental Science)」に掲載された報告書によると、数年前までは、こうした再生可能エネルギーによる電力は、米全体の需要の20~30%程度を賄えるだけだと考えられていた。
米国では現在、電力の約66%は天然ガスや石炭、石油などの化石燃料による発電で賄われている。また、米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)によると、同国の電力の20%は原子力、15%は再生可能エネルギーで賄われている。こうしたクリーンエネルギーのうち、風力は7%、太陽光は1%、残りは水力などだ。
今後数年間に風力と太陽光がどれほど電力に貢献できるかを調査するため、カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)、カリフォルニア工科大学(Caltech)、カーネギー研究所(Carnegie Institution for Science)の研究者らは、1980~2015年の36年間にわたる米国の1時間ごとの気象データを分析した。
論文の共同執筆者であるUCIのスティーブン・デービス(Steven Davis)准教授(地球構造科学)は、「われわれは、時間と空間の双方における太陽光および風力エネルギーの変動性を検証し、それらを米国の電力需要と比較した」、「その結果、全米規模の送電網、あるいはこの国の電力需要の12時間分に相当する電力を貯蔵できる施設を建設することによって、こうした再生可能エネルギーから必要な電力の約80%を得ることができると分かった」と述べた。
また、米国の送電網や蓄電設備の拡張には、「非常に大規模ではあるが、ありえないほどではない額」の投資が必要となるだろうと研究チームは述べている。(c)AFP