【3月6日 東方新報】中国・杭州動物園(Hangzhou Zoo)の人気者のパンダ「成就」(Cheng Jiu)(オス、3歳)が2月下旬に体調を崩し、浙江大学付属病院で手術を受けたが、容態は予断を許さない状況が続いている。

 動物園の飼育員が2月24日、成就の食事の量が落ち、動きも鈍くなっていることに気付いた。竹の葉を主食とするパンダは、はがれた腸の粘膜を排泄することがあり、その際には動きが鈍くなる。

 同園ではすぐ検査を行ったが、今回も同様の反応だと判断し、様子を見ることにした。成就の故郷でもある四川省(Sichuan)の成都ジャイアントパンダ繁育研究基地へも連絡し、動物園側は成就を展示エリアに出さず、24時間態勢で状況を見守った。

 翌日になっても成就の体調は好転しなかった。排泄した便はゼリー状で、食欲も示すことなく状態が悪化。27日にはジャイアントパンダ繁育研究基地の専門家も動物園を訪れ、検診やエコー、X線検査などを行い、消化器官系の異常によるものと診断した。

 病状が好転しなかったことから、3月2日夕方、成就は浙江大学の付属病院へ運ばれ、急性胃拡張による胃への大量な食物滞留と診断され、直ちに手術が行われた。4時間にわたる手術を受け、成就は現在は動物園に戻されているが、予断を許さない状況が続いている。

「適切な処置は施したが、術後48時間以内で胃液の逆流が3度見られるなど、命の危険があることに変わりない」と専門家は説明した。

 急性胃拡張が原因で胃に大量の食物が滞留するケースは、中国内の人工育成下にあるパンダでは報道された例がない。成就の専門医療チームは現在、24時間態勢で術後の状況を監視している。(c)東方新報/AFPBB News