【3月5日 AFP】中国の全国人民代表大会(National People's Congress、全人代、国会に相当)が5日、開幕した。習近平(Xi Jinping)国家主席(64)の権力増大と長期政権に向けた基盤を整備する。

 全国から代表約3000人が首都北京の人民大会堂(Great Hall of the People)に集まり、約2週間の日程で憲法改正や予算案の承認などを行う。

 今回の全人代では、建国の父とされる毛沢東(Mao Zedong)以来、最も強大とされる習氏の権力基盤をより強固にするための憲法改正に焦点が当てられている。

 中国共産党の憲法改正案には、2期10年までとする国家主席の任期制限を撤廃すること、習氏の名前を冠した指導理念を憲法に記載すること、汚職を取り締まる新たな機関を設置することなどが盛り込まれている。

 憲法改正によって習氏は、2期目が終了する2023年以降も共産党と軍、国のトップに君臨し続けることが可能になる。

 この改正をめぐっては、1949~76年に毛沢東が率いた混乱の時代以後、社会の安定を保持してきた集団指導体制が破棄される恐れがあるとの指摘が上がっている。(c)AFP/Joanna Chiu and Laurent Thomet