イタリアで総選挙、中道右派が優勢 「五つ星」も躍進
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【3月5日 AFP】(更新、写真追加)イタリアで4日、上下両院を改選する総選挙の投票が行われ、即日開票作業に入った。出口調査によると、シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元首相(81)の中道右派連合が最多の票を獲得する見通しだが、絶対多数には届かないもようだ。
国営イタリア放送協会(RAI)が発表した出口調査によると、ベルルスコーニ氏率いる「フォルツァ・イタリア(Forza Italia)」など4党が組む中道右派連合の得票率は31~41%となる見通し。反エスタブリッシュメント(既成勢力)の新興政党「五つ星運動(Five Star Movement)」が29~32%で続く方向となっている。
国営テレビLa7の出口調査でも中道右派連合の予想得票率が32~37.6%、五つ星運動が28.8~30.8%となっている。いずれの出口調査でも、中道左派の与党・民主党(Democratic Party)は3位にとどまっている。
今回の総選挙では、極右とポピュリストの勢力が台頭し、反移民の主張が繰り広げられたほか、富豪でメディア王のベルルスコーニ氏がキングメーカーとして復活。先行きを読むのが極めて難しい展開となった。
ベルルスコーニ氏の右派連合は、反移民・反欧州連合(EU)を掲げる政党「同盟(The League)」と極右政党「イタリアの同胞(Brothers of Italy)」の復活に後押しされた。両党とも、2013年以降リビアから船で大量に流入している移民への恐れに乗じる形で支持を広げた。
ベルルスコーニ氏と同盟のマッテオ・サルビーニ(Matteo Salvini)書記長は、政権を握れば不法移民60万人を国外退去させると公約しているが、中道左派の現政権は実現不可能な案と断じている。
■バノン氏「純粋なポピュリズム」
極右政党とポピュリスト政党の伸長は、英国のEU離脱(ブレグジット、Brexit)を決めた国民投票や、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の選出にも重ねられている。
そのトランプ氏をポピュリズムの波に乗せて権力の座に就ける立役者となったスティーブ・バノン(Steve Bannon)元首席戦略官・上級顧問は4日、訪問先のローマでイタリアメディアにこう語った。
「イタリア国民は短期間に、ブレグジットを決めた英国民、トランプを選んだ米国民よりも、さらに先を行った。イタリアの選挙はすべての縮図、つまり純粋なポピュリズムだ」(c)AFP/Terry DALEY