ビオラ主将のアストリが心臓発作で急逝、ブッフォンらショック隠せず
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【3月5日 AFP】イタリア・セリエAのフィオレンティーナ(Fiorentina)で主将を務めるイタリア代表CBのダビデ・アストリ(Davide Astori)が、3日夜にホテルの部屋で急逝した。所属するフィオレンティーナが発表した。アストリはまだ31歳で、2歳の子どもがいた。
フィオレンティーナはツイッター(Twitter)で「非常に残念な発表をしなくてはなりません。主将のダビデ・アストリが突然の病で死去しました」と発表。4日に予定されていた敵地でのウディネーゼ(Udinese)戦に備え、アストリはウディネ(Udine)のホテルに滞在していた。
イタリアメディアが報じた現地の治安判事の言葉によると、死因は心臓発作の一種である「心血管虚脱による自然なもの」だというが、同時に判事は「健康をつぶさにチェックしている職業の人物に、なんの前兆もなくこのような事態が起こるとは、普通は考えにくい」とも話している。遺体は検視のため市内の病院へ移された。
これを受けて、フィオレンティーナの試合は午前中のうちに延期が決定。その後、アストリの古巣の一つであるカリアリ(Cagliari Calcio)の試合も、ウオーミングアップの最中に知らせがもたらされて延期に。最終的にはACミラン(AC Milan)とインテル(Inter Milan)のダービーを含むこの日の残り5試合も延期になった。
名門ミランの下部組織で育ったアストリは、カリアリやASローマ(AS Roma)を経て2015年にフィオレンティーナに加入。イタリア代表でも14試合に出場した。
■ブッフォンらから悲しみの声
アストリの急逝の知らせに、かつての仲間やコーチ、チームがSNSで哀悼の意を表している。ユベントス(Juventus)で主将を務めるジャンルイジ・ブッフォン(Gianluigi Buffon)は、アストリを「偉大な男」と呼び、インスタグラム(Instagram)に2人が試合前にペナントを交換する写真を投稿して、「親愛なるアストへ別れを」とメッセージを添えた。
ブッフォンは自分がほかの人間について何かを言うことはあまりないと前置きしつつ、「きょうはそのルールを破らせてもらいたい。なぜなら、悲しみの中にいる君の若い奥様、近しい人たち、そして何より、小さな娘さんは知っておくべきだからだ。パパが素晴らしい人間、偉大な男だったということを」と書き込んだ。
元イタリア代表指揮官で、現在はイングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)を率いるアントニオ・コンテ(Antonio Conte)監督も、マンチェスター・シティ(Manchester City)との試合前に、動揺を隠しきれない様子で弔意を表した。
「悲劇であり、本当につらい。今はご家族にかける言葉が見つからない。彼とは代表で一緒だった。優秀な選手で、何より素晴らしい男だった。奥様やご両親、娘さんのこともよく知っている。まだ31歳で、この状況を説明するのは非常に難しい」
アストリとは2クラブで同僚だったASローマのラジャ・ナインゴラン(Radja Nainggolan)は、2人がゴールを喜び合っているカリアリ時代の写真を投稿し、「素晴らしい選手で、それ以上に大きな男。カリアリでは何度も一緒に戦った。ローマに来た後も。信じられない」と書き込んだ。
出身クラブのミランも、公式ツイッターアカウントに「サッカーを愛し、われわれとともに育った男。ダビデ・アストリの悲しい死にショックを受けている」と英語で書き込み、悲しみを示した。
フィオレンティーナの本拠地であるフィレンツェの市長を務めた経歴を持ち、4日には総選挙に臨んだマッテオ・レンツィ(Matteo Renzi)伊民主党(PD)党首は「あり得ないし、信じられない。家族やフィオレンティーナのみなさんとともに泣きたい。チャオ、カピターノ」とツイートした。(c)AFP