【3月2日 AFP】ロシアの組織的ドーピングを告発したグリゴリー・ロドチェンコフ(Grigory Rodchenkov)氏の弁護士が1日、同国の資格停止処分を解除した国際オリンピック委員会(IOC)の決定は「妥協」であり、「悪に屈した弱さ」だと非難した。

 先月28日にロシアの処分を解いたIOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長と同委員会の動きは、「ロシアと同国による明白な違反行為に対し、臆病さと妥協で対応しているものだ」というジム・ウォールデン(Jim Walden)弁護士は「悪に屈した弱さが、良い結果を生み出すことはない」と短い声明の中で述べた。

「ソチでロシアがやったことは、五輪、そしてクリーンな選手に向けられた邪悪な行為だ。そして、うそや批判、脅迫、報復といった彼らの反応は、多岐にわたる悪の形だ」

 ロシア反ドーピング研究所の元所長であるロドチェンコフ氏は、ソチ冬季五輪における同国の国家ぐるみのドーピングを告発し、現在は命の危険を感じながら米国に身を隠している。

 IOCは先月行われた平昌冬季五輪でロシアの選手団派遣を禁じていたが、中立旗の下で選手の出場は許可していた。(c)AFP