【3月2日 AFP】シリア北西部アフリン(Afrin)でクルド人民兵組織「クルド人民防衛部隊(YPG)」に対する軍事作戦「オリーブの枝(Olive Branch)」を実施中のトルコ軍は1日、新たに兵士8人が死亡し13人が負傷したと発表した。

 トルコ軍当局は2度声明を出してこの日の死傷者について発表した。民営ドアン(Dogan)通信によると最近アフリンに展開したトルコ軍の特殊部隊とトンネルを使って待ち伏せていたYPGの間で1日午後に激しい戦闘となった。負傷者の救助に向かったトルコ軍のヘリコプターが被弾して引き返したため現場付近を砲撃し、その間に救助したという。

 今年1月20日に始まった「オリーブの枝」作戦の1日の死傷者としては最悪の水準で、同作戦でこれまでに死亡したトルコ兵は少なくとも40人となった。

 トルコはYPGを、自国内で1984年からゲリラ活動を主導してきた反政府武装組織「クルド労働者党(PKK)」と密接な関係を持つ「テロ組織」と位置付けている。しかしYPGはシリアの最前線でイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」と戦い、米国から支援を受けている。

 先月20日にシリア政権側の民兵部隊がアフリン入りしたことで状況は一層複雑化し、トルコ軍とシリア政府軍が直接衝突するリスクが上がったと指摘されている。先月26日、トルコはアフリンに警察と憲兵隊の特殊部隊(計約600人)を展開させて市街戦への構えを見せた。

 在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は「オリーブの枝」作戦の開始以降、子ども27人を含む民間人141人が死亡したとしているが、トルコ政府はこれを否定している。(c)AFP