【3月1日 AFP】フィリピン政府は1日、南シナ海(South China Sea)でのエネルギー資源探査および採掘について、中国の国営企業と協議に入っていることを明らかにした。

 フィリピンと中国は南シナ海の領有権争いを長い間繰り広げている。中国は南シナ海のほぼ全域の領有権を主張している一方、ドゥテルテ大統領は中国に反発する従来の姿勢を軟化させている。

 豊富な石油や天然ガス資源を埋蔵するとされ、戦略的にも重要な同海域で領有権争いを繰り広げてきた両国を事実上の共同所有者にする計画について、ドゥテルテ大統領は先月28日、中国との戦争でフィリピン軍が「皆殺し」になるよりましだと述べた。

 イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」系の武装勢力との戦闘で荒廃した同国南部ミンダナオ(Mindanao)島のマラウィ(Marawi)を訪問した際、ドゥテルテ大統領は「彼ら(中国政府)は今、共同探査を提案している。共同所有みたいな、両国が所有権者になるようなものだ。戦うよりましだと思う」と述べた。

 フィリピンのハリー・ロケ(Harry Roque)大統領報道官は1日、この件についてさらなる詳細に言及し、フィリピンのエネルギー当局と匿名の中国国営企業の間で協議が進められており、エネルギー資源の採掘が現在議題となっていることを明らかにした。(c)AFP