宇宙最初の星を初観測 米チーム発表に科学界沸く
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【3月1日 AFP】米アリゾナ州立大学(Arizona State University)などの天文学者チームは2月28日、宇宙がビッグバン(Big Bang)で誕生した直後に生まれた宇宙最古の星々「ファーストスター」に由来する電波を、史上初めて検出したと発表した。この観測結果に科学界は騒然となっている。
ファーストスターの痕跡検出に向けた取り組みは10年前から続けられてきたが、実際に観測できるのはまだ何年も先になると予想されていた。観測結果は今後、別の実験によって裏づけられる必要があるが、一部からは既に、ノーベル賞を受賞した2015年の重力波検出以降で最大級の天文学的発見だとの声も上がっている。
今回の発見は、宇宙の大部分を構成すると考えられている謎の透明物質「暗黒物質(ダークマター)」の謎を解明する手がかりとなることも期待されている。
検出されたのは、今から136億年前、ビッグバンによる宇宙誕生からわずか1億8000万年後にすでに活動を始めていたファーストスターの痕跡で、オーストラリアの砂漠に設置されたダイニングテーブルほどの大きさの電波分光計により観測された。
この電波には、誰もが驚き、歓喜するような興味深い情報が含まれていた。英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された論文によると、初期宇宙の温度がマイナス270度と、これまで推定されていたより2倍も低温だったとみられることが、観測データから判明したのだ。
ネイチャー誌に同時掲載された別の関連論文では、ダークマターがこれに関与している可能性が示唆されている。同論文を執筆したイスラエル・テルアビブ大学(Tel Aviv University)のレナン・バルカナ(Rennan Barkana)氏によると、この極度の低温状態は、通常物質がダークマターと相互作用してエネルギーを受け渡したことで説明できる可能性があるという。(c)AFP/Mariëtte Le Roux