世界で最も重かった男性、250キロ減量 再び歩けることを夢見て
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【2月28日 AFP】世界で最も重い人に認定されたこともあるメキシコ人男性フアン・ペドロ・フランコ(Juan Pedro Franco)さんは、これまでに計250キロの減量に成功している。
2016年10月に、体重595キロで「世界で最も重い人(存命者)」としてギネス世界記録(Guinness World Records)に認定された後、フランコさんは2度の手術を受けた。
AFPの取材班を前に、フランコさんは自転車を改造したエクササイズマシンを使って見せた。腕を使ってペダルを回すと、層になった背中の肉が左右に重く揺れた。
ギネスに認定された当時、フランコさんはベッドに寝たきりで糖尿病と高血圧、重い肺疾患に苦しんでいた。減量しないと命にかかわるとの医師からの警告を受け、手術を受けることを決心したという。
手術を受けるため、母親と共に同国西部グアダラハラ(Guadalajara)に転居したフランコさん。しかし、甲状腺機能が低下していたため、手術前の準備として医師から6か月間の「非常に厳格な」地中海式食事法が処された。
そして2017年5月に最初の手術としてスリーブ状胃切除術が施された。それは胃の一部を切除し、その体積を最大80%減らすものだった。その半年後には胃バイパス手術が行われた。残っていた胃を半分に分け、胃の子袋のひとつを腸につなげた。腸そのものも栄養の吸収を減らすために分割された。
手術を担当したアントニオ・カスタネダ(Jose Antonio Castaneda)医師らによると、当時のフランコさんはほとんど動くことができず、カロリーを十分燃焼することができなかったという。唯一の選択肢は胃の大きさを劇的に減らすことだった。
33歳になったフランコさんの現在の体重は345キロ。カスタネダ医師は、今後1年半でさらに100キロの減量を期待している。
酸素チューブに常時つながれている状況に変わりはないが、ベッドに横たわっている時間は減り、また数年ぶりに歩行器を使って歩くこともできた。今の目標は「再び歩けるようになること」だという。
■「人生を軌道に…」
フランコさんは日中、スカーフを編んだり、お菓子を作ったりしている。家族がこれらを売って家計の足しにするのだ。空いた時間には歌を歌ったりギターを弾いたりもするが、大部分は運動に費やされるという。
自力で立てるよう特製の金属構造が付けられているベッドでAFPの取材に応じたフランコさんは「すべてがうまくいっている。とってもうれしい」と笑みをこぼした。
取材に同席したカスタネダ医師は「毎日、運動量が増えている」「彼は自分で立ちあがる努力をして、人生を軌道に乗せようとしている。非常に積極的な姿勢だよ」とコメントを添えた。(c)AFP/Ulises RUIZ / with Jennifer GONZALEZ COVARRUBIAS in Mexico City