【2月27日 AFP】スロバキアでマフィアの税金詐欺について取材していたジャーナリストとその婚約者が銃で撃たれて死亡し、同国の警察当局は26日、この事件の捜査を開始したと発表した。

 殺害されたのは独メディア大手アクセル・シュプリンガー(Axel Springer)とスイスの出版大手リンギエー(Ringier)が運営するニュースサイト「aktuality.sk」の記者だったヤン・クツィアク(Jan Kuciak)氏。首都ブラチスラバから東方65キロに位置するヴェルカマカ(Velka Maca)の自宅で婚約者と共に遺体で発見された。

 警察幹部は報道陣に対し、事件の動機はクツィアク氏が行っていた取材と関連している可能性が高いとの見解を示した。クツィアク氏は胸を、婚約者は頭を銃で撃たれていたという。

 ロベルト・フィツォ(Robert Fico)首相は、犯人の逮捕につながる情報に対して政府が100万ユーロ(約1億3000万円)を提供すると明らかにした。

 報道によると、2人の遺体の周辺に弾薬が並べられているのを警察が発見しており、日刊紙プラウダ(Pravda)は「警告」を意味すると伝えている。

 ブラチスラバのジャーナリスト、トム・ニコルソン(Tom Nicholson)氏がメディアに語ったところによると、クツィアク氏はスロバキア東部を拠点にするイタリア系マフィアの欧州連合(EU)構造基金に対する詐欺行為について取材を進めていたという。(c)AFP/Laszlo JUHASZ