過激派が少女110人拉致 ナイジェリア政府、初めて認める
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【2月27日 AFP】ナイジェリア北東部ヨベ(Yobe)州の学校がイスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」に襲撃され、100人以上の女子生徒が行方不明となっている事件で、同国政府は26日、女子生徒らが拉致されたことを初めて認めた。
ヨベ州ダプチ(Dapchi)にある全寮制の国立女子学校で19日に起きた事件では、現在も生徒110人が行方不明になっている。政府当局は当初、生徒らが拉致されたとは明言していなかった。
今回の事件は、2014年4月に同国ボルノ(Borno)州チボク(Chibok)の全寮制学校が襲撃され、女子生徒276人が集団拉致された事件の痛ましい記憶を呼び起こさせるもの。この事件では、発生からほぼ4年が過ぎた現在も112人が拘束されたままとなっている。
ナイジェリア大統領府の声明によると、ムハマドゥ・ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領は首都アブジャで開かれた拉致被害者らとの会合で、ダプチで女子生徒らが拉致されたことを認め、政府はボコ・ハラムによって拉致された全ての女子生徒を必ず家族の元に戻すとの決意を表明。さらに、各治安機関に学校と生徒の安全確保を命令したことも明らかにした。
ナイジェリア政府が拉致の事実を認めることに消極的だった理由の一つとしては、チボクでの拉致事件が前政権に暗い影を落とし、選挙での敗北につながったとの見方が強いことがある。
かつて同国の軍事政権を率いたブハリ氏は、9年間にわたり少なくとも2万人の犠牲者を出しているボコ・ハラムの反乱の終結を公約に掲げ、2015年に大統領に当選した。(c)AFP/Ola AWONIYI