【2月26日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は25日、OAR(ロシアからの五輪選手)の薬物スキャンダルによって平昌冬季五輪が「汚された」との見方を否定した。

 ロシアの今後の扱いについて話し合うため、IOCは24日と25日朝に総会を開き、当面の処分継続を満場一致で決定。25日に行われた閉会式ではロシア国旗の使用を禁止した。

 閉会式で国旗の使用を認めないなど、IOCはOAR(ロシアからの五輪選手)として五輪に出場したロシアに「明確なメッセージ」を送ったというバッハ会長は、「率直に言って、ロシアの件で冬季五輪が汚されたとは考えていない。なぜなら、ここにロシアチームはいなかったからだ」と語った。

 さらにバッハ会長は、平昌五輪で2人の薬物反応を出したロシアから今大会でこれ以上のドーピング違反がなければ、同国の五輪参加禁止処分は自動的に解除されるとコメント。これについてはロシア五輪委員会(ROC)も歓迎しており、声明で「数日以内」に処分が解除されることに期待を示している。

 またバッハ会長は、カーリングの混同ダブルスで銅メダルを剥奪されたアレクサンドル・クルシェルニツキー(Alexander Krushelnitsky)と、ボブスレー女子のナデジダ・セルゲエワ(Nadezhda Sergeeva)による薬物違反が処分継続の「大きな要因」だったとしているが、「これらは不注意によるものだ。組織的なドーピングがあったことを示す証拠はなく、OAR上層部、つまりロシア五輪委員会による関与もなかった」と付け加えている。

 OARのスタニスラフ・ポズドニャコフ(Stanislav Pozdnyakov)団長も、両選手の検査結果は「悪意ではなく不注意」とし、バッハ会長の見解に同調した。

 これまでのところ、クルシェルニツキーとセルゲエワは検査結果と争う姿勢を示していないが、最終的に下される処分に異議を唱える権利を有している。両選手には暫定的に出場停止処分が科せられている。(c)AFP/Talek HARRIS