ゴスロリから羽生モデルまで、急逝した「現代ひな人形」作家の軌跡 神奈川
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【2月26日 AFPBB News】黒を基調とした衣装をまとった「ゴスロリ(Gothic and Lolita)」風から男子フィギュアスケートの羽生結弦(Yuzuru Hanyu)選手をイメージしたものまで──。ひな人形の世界に新しい地平を開き、昨年9月に49歳で早世した節句人形工芸師、後藤由香子(Yukako Goto)さんの追悼企画展が神奈川県横浜市の博物館「横浜人形の家(Yokohama Doll Museum)」で開催されている。
後藤さんは1969年に岐阜県岐阜市に生まれ、大学卒業後はアナウンサーを経て、祖父の代から続く節句人形作りの世界に飛び込んだ。「伝統は今を生きている」との考えから、大胆な色や現代的なファッションを取り入れた作風が特徴だ。
会場に展示された36点の人形も、伝統的な金びょうぶ前に並べて座らせるのではなく、一つ一つに森や浜辺などの異なる背景を設定。立ち姿や手を差し伸ばした生き生きとしたポーズからは、人形同士の語らいが聞こえてきそうだ。
「形にはまらなくていい。自分は自分でいいんだよと言われているような気がする」と館長の土橋佳子(Keiko Dobashi)さん(42)。卵巣がんを患い死去した後藤さんが、昨年6月に自ら制作途中の作品を運び込み見せてくれた遺作2点も公開中だ。「人の思いが伝わり平安から1000年も続いてきたひな人形のことを世界にもっと広めたい」と土橋さん。展示は4月8日まで。(c)AFPBB News