永遠のカムバック王、ベルルスコーニ氏 伊総選挙で右派優勢をけん引
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【2月26日 AFP】イタリア政界を20年近くにわたり支配した富豪でメディア王でもあるシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元首相(81)が、復活はもう諦めただろうと思いたがる人々をよそに再び政界に戻ってきた。
派手好きなベルルスコーニ氏はセックススキャンダルや相次ぐ失言問題、数々の訴訟などを抱えてきたにもかかわらず、中道右派政党「フォルツァ・イタリア(Forza Italia、「がんばれイタリア」の意)」の党首として、政治的に忘却されていた状態から驚くべき復活を果たした。世論調査によると、フォルツァ・イタリアが参加している右派連合は、3月4日に実施される総選挙で優勢とされる。
ベルルスコーニ氏は脱税で有罪判決を受けているために公職に就くことはできない。だが、総選挙で右派連合が議会の過半数議席を獲得した場合、次期政権に影響力を及ぼすキングメーカーになりたいと考えている。
選挙戦では大規模な集会への出席を避ける一方でテレビやラジオ、新聞には絶え間なく登場している。こうしたメディアの大多数は同氏自身が所有する巨大企業グループ「フィニンベスト(Fininvest)」の傘下にある。
かつてクルーズ船の歌手だった経歴を持つベルルスコーニ氏はイタリアの政治に夢中になり、1994年に初当選。以降、首相を3度務め、計9年以上にわたってイタリアを統治した。
ヘアオイルでなでつけた髪と人を引き付ける笑顔がトレードマークのベルルスコーニ氏は、軽口による失言や「ブンガブンガ」と呼ばれる悪名高い性的パーティーに垣間見られる派手な私生活に加え、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領やリビアの最高指導者だった故ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐といった人物との交友関係でも世界的に知られている。サッカークラブのACミラン(AC Milan)のオーナだったこともある。
しかし現在のベルルスコー氏の笑顔は少しだけこわばっているように見える。伊日刊紙レプブリカ(La Repubblica)は社説で、美容整形とじゅうたん並みに分厚く塗ったメークによって、ベルルスコーニ氏の顔はやや変わったと述べている。
だが、ベルルスコーニ氏のユーモアのセンスは今も健在なようだ。最近では「私は上物のワインのようなものだ。年を重ねるごとに良くなる一方だ。今の私はパーフェクトだ」とツイートしている。(c)AFP/Ljubomir MILASIN, Lucy ADLER