【2月25日 AFP】イタリア各地で24日、極右デモと反ファシストデモが行われ、大勢の人が参加した。3月4日実施の総選挙を前に緊張が高まっており、散発的な衝突もあった。

　ミラノ（Milan）で開かれた反移民・反EUを掲げる政党「同盟（The League）」のマッテオ・サルビーニ（Matteo Salvini）書記長の選挙集会には、警察の推定で1万5000～2万人、同盟の発表によると5万人近くが集まった。

　かつて「北部同盟（Northern League）」という党名だった同盟はシルビオ・ベルルスコーニ（Silvio Berlusconi）元首相の右派連合に属しており、総選挙前の世論調査では右派連合が優勢となっている。イタリアの次期首相を目指すサルビーニ氏は、聴衆に向かって「イタリア第一」と語った。

　ここ数週間、反ファシストと極右の活動家間の暴力が急増しているため、首都ローマのデモには警察官3000人以上が動員された。しかしローマで最も大規模だったデモは平穏に進み、冷たい雨の中、大勢の人が赤と緑の労組の旗を振った。

　イタリア全土で反ファシストと極右の活動家の衝突が数多く発生している。今月3日に中部マチェラータ（Macerata）でスキンヘッドの極右の男が民族主義的な動機で発砲し、アフリカ出身の移民6人が負傷する襲撃事件の後は特に急増している。

　最新の主要世論調査の結果を平均すると、ベルルスコーニ元首相が党首を務める保守政党「フォルツァ・イタリア（Forza Italia、「がんばれイタリア」の意）」、同盟、極右政党「イタリアの同胞（Brothers of Italy）」から成る右派連合が最も多くの議席を獲得するものの過半数は獲得できないとみられている。(c)AFP/Céline CORNU with Fanny CARRIER in Rome