【2月23日 AFP】フィリピン南部ミンダナオ(Mindanao)島のマラウィ(Marawi)から数か月前に撃退されたイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」系の武装勢力が、今年に入り約200人の戦力をかき集め、治安部隊との小規模な衝突を繰り返している。

 フィリピン軍は昨年10月、ISに忠誠を誓う地元武装勢力をマラウィから撃退した。だが、同市を拠点とするフィリピン軍部隊の司令官、ロメオ・ブラウナー(Romeo Brawner)大佐は23日、AFPの取材に対し「彼らは東南アジアに『カリフ制国家』を樹立するという目標を諦めていない。ミンダナオ島は彼らにとって格好の土地だ」と述べた。

 ミンダナオでは、貧困がはびこる中、フィリピンからの独立や自治を求めるイスラム武装勢力と当局が武力衝突を繰り返してきた。ブラウナー大佐は、若い戦闘員を勧誘する温床となっているマドラサ(イスラム神学校)の監視を強化する必要があると言う。

 ブラウナー大佐によると、中東を拠点とするISに忠誠を誓い、昨年5か月間にわたってマラウィを占領した武装勢力「マウテ(Maute)」がここへ来て巻き返しを図っている。米軍の支援を受けたフィリピン軍のマラウィ奪還作戦の序盤に脱出した武装勢力の戦闘員らが、マラウィの銀行や民家から強奪した現金や銃、宝石などを利用して勧誘活動を指揮しているという。(c)AFP