【2月23日 AFP】平昌冬季五輪の閉会式に北朝鮮から朝鮮労働党の金英哲(キム・ヨンチョル、Kim Yong-Chol)中央委員会副委員長が出席することに対し、韓国最大野党・自由韓国党(Liberty Korea Party)の国会議員約70人が23日、ソウルの大統領府(Blue House、青瓦台)前で抗議活動を行った。議員らは声明で、金氏は2010年の韓国軍哨戒艦沈没事件の「戦犯」で「死刑に値する」と主張した。

 金英哲氏が率いる北朝鮮の代表団8人は、平昌五輪の閉会式に出席するために25日に韓国入りする。同閉会式には米国からドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の長女で大統領補佐官のイヴァンカ・トランプ(Ivanka Trump)氏も出席することが注目されている。

 金英哲氏は、2010年に韓国海軍の哨戒艦「天安(Cheonan)」が魚雷によって沈没し46人が死亡した事件など韓国に対する一連の攻撃に関与したとされ、各方面から非難されている。

 自由韓国党の議員ら約70人はソウルの大統領府前で、金英哲氏の訪韓を中止するよう、文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領に訴えた。

 自由韓国党の金聖泰(キム・ソンテ、Kim Sung-tae)院内代表は声明を読み上げ「金英哲は韓国を攻撃した極悪非道の戦犯だ。路上での絞首刑に値する」「われわれは切り刻んで殺されるべき凶悪犯罪者が、五輪閉会式に招かれることを許すわけにはいかない」と述べた。

 韓国統一省の白泰鉉(ペク・テヒョン、Baek Tae-hyun)報道官は、韓国政府は金英哲氏訪韓をめぐる広範な懸念を認識していると述べた上で、「南北関係の改善および南北対話の機会として」訪韓を受け入れると語った。(c)AFP