ロシア大使館からコカイン400キロ押収、外交特権で密輸もくろむ
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【2月23日 AFP】アルゼンチンの治安省は22日、警察が首都ブエノスアイレスのロシア大使館からコカイン約400キロを押収し、5人を逮捕したと発表した。
パトリシア・ブルリッチ(Patricia Bullrich)治安相は記者会見で、コカインは大使館別館で見つかったと述べた。末端価格で5000万ユーロ(約66億円)相当だという。容疑者らは、外交特権で第三者には開封できないクーリエと呼ばれる外交行嚢(こうのう)を利用し、欧州に持ち出そうとしていたという。
ロシア大使が2016年12月、薬物を発見したとロシアとアルゼンチンの警察当局に通報したことを受け、両当局がおとり捜査を行っていたという。捜査では、コカインの袋16個の中身を小麦粉とすり替え、監視装置を設置して持ち出すまでの動向をチェックしていた。
ブルリッチ氏によると、捜査の結果「麻薬犯罪グループ」の一味としてアルゼンチンで2人、ロシアで3人の容疑者を逮捕した。アルゼンチンで逮捕された1人は、アルゼンチン国籍を取得したロシア人でブエノスアイレスの警察官だったという。
押収されたコカインは「非常に純度が高い」もので、ロシアに送られる手はずになっていたという。その後さらに密輸の首謀者とみられる人物の生活基盤があるドイツにも運ばれる可能性が高かったとブルリッチ氏は説明し、「ドイツ警察が逃走中の容疑者を逮捕してくれると確信している」と述べた。
捜査当局では、コカインはコロンビアかペルーで製造されたとみている。(c)AFP