【2月23日 AFP】(更新)平昌冬季五輪は23日、フィギュアスケートの女子シングル・フリースケーティング(FS)が行われ、アリーナ・ザギトワ(Alina Zagitova)が156.65点を記録し、合計239.57点でOAR(ロシアからの五輪選手)に今大会初の金メダルをもたらした。

 15歳のザギトワは、同胞で友人のエフゲニア・メドベデワ(Evgenia Medvedeva)をわずか1.31点差で抑えてタイトルを獲得。フリーでザギトワとメドベデワは、ともに156.65点を記録したものの、21日のショートプログラム(SP)でザギトワが世界最高得点の82.92点を記録したことが、勝負を分けた形となった。

 メドベデワとの直接対決を制したザギトワは、「私が優勝したなんて信じられません。実感するまで時間がかかりそうです」とすると、「うまく緊張感を制御できてうれしい。手が震えていましたが、体は練習通りに動きました」とコメントした。

 一方、足を骨折して昨年10月から2か月間戦列を離れ、体調が万全ではないなかで最終滑走で登場したメドベデワは、『アンナ・カレーニナ(Anna Karenina)』に乗せた演技を終えて合計得点が表示されると、コーチの腕で泣き崩れた。テレビ局のインタビューでは、取り乱すあまりに最後まで終えることができなかった。

 ティッシュの箱を持った大会関係者に付き添われていたメドベデワは、「けがのことは考えたくありませんでした。後ろを振り返りたくはありません。きょうは最高の演技ができましたし、全力を尽くしました」とコメントした。

 温かいハグを交わしていたザギトワとメドベデワは、ロシアが国家ぐるみのドーピング違反で五輪への選手団派遣を禁じられ、厳しい検査に合格して個人資格での参加が認められた168人のOAR選手として、中立旗の下で大会に出場していた。

 世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships)連覇中のメドベデワは合計238.26点で銀メダルとなり、カナダのケイトリン・オズモンド(Kaetlyn Osmond)が合計231.02点で銅メダルを獲得した。

 日本勢は宮原知子(Satoko Miyahara)が合計222.38点で4位、坂本花織(Kaori Sakamoto)は合計209.71点で6位に入った。(c)AFP/Nick REEVES