中国海洋石油、LNG事業成長に傾注
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【2月23日 CNS】6.9万トンの天然ガス(LNG)を積んだLNGタンカー「メタン・ベッキー・アンネ(Methane Becki Anne)」号が5日、中国海油気電の天津市(Tianjin)LNG埠頭に入港、荷下ろしを完了した。このタンカーはギニアから中国首都圏の100万世帯3か月分に相当する約1億立方メートルの天然ガスを運んできた。
従来の石炭や石油エネルギーからクリーンエネルギーである天然ガスに切り替えることは中国にとって重要な意味を持つ。中国海洋石油集団(中国海油、CNOOC)の楊華(Yang Hua)董事長は、「中国海油は積極的に環境に配慮した経営に取り組んでおり、天然ガス産業の開拓を通して、より環境に優しいエネルギーを提供してきた。これまでの科学技術の蓄積を通し、クリーンで安全、かつ信頼できるエネルギー供給の保証に努めたい」と話した。
中国は2006年に大規模な天然ガス輸入を開始、2017年末の累計輸入量は1億2000万トンを超え、約3億トンの二酸化炭素を削減した。このことは木を8億本の植樹したことに相当する。スモッグの抑制にも大きな効果をもたらした。
また、発電に関しても中国海油はさまざまな取り組みを行っている。これまでに6社の天然ガス発電企業を建設・保有、総発電装置規模は800万キロワットで、国内でもトップクラスだ。2017年末までの発電量は累計1600億キロワット時に達する。1世帯(3人家族)の1か月の電気使用量を150キロワット時として計算すると、1億世帯の1年間の使用電力に相当する。
さらに中国海油は中国華北地区の電気需要に対応するため、内モンゴル自治区西部の天然ガスパイプラインプロジェクトに力を入れている。この天然ガスパイプラインは内モンゴル自治区から山西省(Shanxi)、河北省(Hebei)を通って、天津市まで全長約1279キロ。パイプライン建設後は、北京市、天津市、河北省と、新たに政府が北京(Beijing)の副都心として設立した「雄安新区」などに天然ガスが供給される。
中国海油は2017年11月初旬、首都圏と周辺地域の冬の暖房供給を確保するため、計80万トンの液化天然ガスの輸送を始めた。2018年3月末までに20隻のLNGタンカーを受け入れる計画で、液体・気体天然ガスの1日の最大供給量は2017年の900万立方メートルから前年同期比167%の2400万立方メートルまで増加する見込み。(c)CNS/JCM/AFPBB News