中国のバルカン投資 政治的影響力に警鐘 独メルケル首相
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【2月22日 AFP】ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は21日、中国に対し、西バルカン諸国への投資を政治的要求と結び付けてはならないと警告した。
「中国が貿易や投資をしたいと思うことに異存はない。わが国は自由貿易を堅持している」。中国が投資するマケドニアのゾラン・ザエフ(Zoran Zaev)首相とベルリンで会談したメルケル首相は、会談後の共同記者会見でこう述べた上で「だが、自由貿易は互恵的でなければならない」と強調した。
さらに、貿易の開放性は「一方通行であってはならない」「問題は、経済的な関係が政治的な問題と結び付けられているかどうかだ」と指摘。もしこの2つが結び付けられているならば、それは「自由貿易の精神ではない」と述べた。
中国はシルクロード(Silk Road)の現代版としてアジアから欧州までを陸路と海路で結ぶ大経済圏構想「一帯一路(One Belt One Road)」を推進しており、バルカン諸国への投資を拡大している。
欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)への参加を目指すマケドニアでも、中国が高速道路の建設に投資しており、ザエフ首相は先ごろ近代化を支援してくれているとして李克強(Li Keqiang)中国首相に謝意を表明していた。
一方、欧州では中国の政治的影響力の増大に対する懸念が広がっており、中国の投資の恩恵を受けているバルカン諸国が、とりわけ人権や貿易などの点で中国の利益を保護する傾向に向かう恐れを指摘する声も出ている。(c)AFP