【2月22日 AFP】平昌冬季五輪は22日、アルペンスキー男子回転が行われ、スウェーデンのアンドレ・ミーラー(Andre Myhrer)が金メダルを獲得した。有力選手2人が派手に散る中で、ベテランが優勝をさらった。

 35歳と42日での優勝は、五輪の回転では前回王者マリオ・マット(Mario Matt、オーストリア)を抜いて史上最年長。またスウェーデン勢がアルペン男子で五輪の金メダルを獲得するのは、1980年のレークプラシッド五輪で回転と大回転を制したインゲマル・ステンマルク(Ingemar Stenmark)氏以来2人目となった。

 スイスのラモン・ツェンヘウゼルン(Ramon Zenhaeusern)が0秒34差の2位に、オーストリアのミハエル・マット(Michael Matt)が3位に入った。オーストリアのマルセル・ヒルシャー(Marcel Hirscher)とノルウェーのヘンリク・クリストファーセン(Henrik Kristoffersen)は完走できなかった。

 2010年のバンクーバー冬季五輪で回転の銅メダルを獲得してはいるものの、下馬評は高くなかったミーラーは「自分にとってはすべてを意味する金メダルだ。この瞬間のために人生のすべてをトレーニングにささげてきた。バンクーバーでは銅が取れたけど、ずっと金メダルを夢見てきた。それがこうして現実になり、感無量だ」とコメントした。

 一方、今大会すでに二つの金メダルを獲得しているヒルシャーは、1本目でまさかの棄権に終わり、平昌での3冠はならなかった。自身のコーチであるミハエル・ピルチャー(Michael Pircher)氏が設定したコースでリズムをつかめず、最終的には旗門を通過できなかった。

 ヒルシャーは今大会、複合と大回転で自身初の五輪個人タイトルを獲得。1956年コルティナダンペッツォ大会のトニ・セイラー(Toni Sailer)氏、1968年グルノーブル大会のジャンクロード・キリー(Jean-Claude Killy)氏、2002年ソルトレークシティー大会のヤニツァ・コステリッチ(Janica Kostelic)氏に続く、史上4人目の五輪同一大会三つ目の金メダルを狙っていた。

 ヒルシャーは、本番前の練習でも調子はずっと良くなかったと明かし、「今週はずっと回転の感触が本当に悪くて、最終的にこういう結果になってしまった」とコメントした。

「このタイプの雪に対して自信がまったくなかった。本当にひどい滑りだった。だけどこういうことはあり得るし、それは五輪やこのスポーツの一部だ。成功を収めていても、ときにはベストでない日がある」 (c)AFP/Peter STEBBINGS