【2月21日 AFP】パレスチナ解放機構(PLO)のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長は20日、国連安全保障理事会(UN Security Council)で演説し、より多くの国が参加する新たな中東和平プロセスを発足させるとともに、パレスチナの国家承認への道を整えるため、2018年半ばまでに国際会議を開くことを提案した。

 アッバス議長が安保理で演説することは異例。同議長はこの演説で、停止状態にあるイスラエル・パレスチナ協議の再開に向けた「和平計画」を提案。米国の重要性を低下させた新たな国際調停によって、これを実現することを呼び掛けた。

 同議長は「パレスチナ問題の解決には、国際会議によって多国間の国際的な機構を構築することが不可欠だ」と述べた。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は昨年12月、エルサレムをイスラエルの首都と認定することを決定。パレスチナ側はこれに激怒し、今後、米政府が中東和平調停を主導することはあり得ないとの立場を表明した。

 アッバス議長は、国際会議の目標として、パレスチナ国家の国連正式加盟、イスラエルとパレスチナの相互承認、最終的な解決に向けた新たな国際的機構の創設を挙げた。

 アッバス議長は演説後、直ちに議場を出た。イスラエルのダニー・ダノン(Danny Danon)国連大使はこれを受け、同議長の言動は、自身が解決の取り組みの一部ではなく、問題そのものであることを示していると批判した。

 ニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)米国連大使は、和平交渉で国連を頼り、米国の役割を拒むのであれば、「パレスチナの人々の願い」がかなうことはないと警告した。(c)AFP/Carole LANDRY