シリア首都近郊で爆撃激化、77人死亡 政府軍、地上戦準備か
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【2月20日 AFP】(更新)シリアの首都ダマスカス近郊の反体制派支配地区、東グータ(Eastern Ghouta)で19日、政府軍による激しい空爆や砲撃があり、民間人少なくとも77人が死亡した。在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が明らかにした。バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領は付近に増援隊を派遣しており、同地区の奪還に向けた地上戦の準備とみられる。
2012年から反体制派が掌握している東グータは、ダマスカス周辺で最後に残った反体制派地域。シリア人権監視団によると、一連の爆撃による犠牲者のうち少なくとも20人が子どもで、さらに約300人が負傷した。監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は「政権は地上作戦に向けて東グータを爆撃している」と指摘している。
東グータのハムリエ(Hammuriyeh)に住む男性(23)はAFPに対し、市民らは政府軍が進攻してくる可能性を恐れていると明かし、「グータがこの先どうなるかは分からない。私たちには神のご慈悲しかなく、地下に身を潜めるほかない」と語った。
ドゥマ(Douma)にある病院は動揺した人々であふれている。ある男性は、自身の子ども2人の遺体を発見し、自らの額を手で打ちつけていた。別の男性は、生まれたばかりのわが子が紫色のシートに身を横たえ、血だまりの傍らで死んでいるのを見つけて泣き崩れた。
国連(UN)のパノス・ムムツィス(Panos Moumtzis)人道調整官(シリア危機担当)は、東グータに対する今回の爆撃は民間人を標的としたものだとの認識を示し、「無分別な人的被害」を直ちに止める必要があると訴えた。(c)AFP