【2月18日 AFP】ジェームズ・マティス(James Mattis)米国防長官は17日、米軍主導の有志連合がシリアで実施した空爆で、ロシア人が巻き込まれ5人が死亡したとされる件について、調査を実施して詳細を明らかにすると言明した。

 ロシア政府は15日、米軍が主導する有志連合がシリア東部デリゾール(Deir Ezzor)県で7日に実施した空爆で「ロシア人5人が死亡したとみられる」と発表。国籍などの詳細について検証が必要だとした上で、5人は兵士ではなく、シリアで兵士ではないロシア人の犠牲者が出たのは初めてだと認識していると述べた。

 これについてマティス長官は欧州歴訪から首都ワシントンへ戻る機内で、「ロシア政府の言い分は、軍に属さないロシア人数人が、詳細が不明な攻撃に巻き込まれたということだと理解している」と述べた。

 7日の空爆についてロシア国防省は、シリア東部にロシア軍兵士はいなかったと説明した。

 しかし、シリアではロシアの民間軍事会社「ワグネル(Wagner)」に雇用された多数のロシア人が戦闘に参加しているとの複数の報道がある。

 こうした民間会社の傭兵(ようへい)たちはロシア軍に直接は属さないことから、ロシア政府は関与を否定でき、同政府にとって都合のよい存在なのではないかとみられている。

 デリゾール県で有志連合が支援するクルド人主導部隊「シリア民主軍(Syrian Democratic Forces)」の拠点が、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権側の戦闘員に襲撃されたことを受け、同連合が7日に実施した空爆では、政権側の戦闘員少なくとも100人が死亡した。(c)AFP