強奪された1億7000万円相当のチェロ、奏者の元に戻る フランス
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【2月18日 AFP】クラシック音楽賞の受賞歴もあるフランスのチェロ奏者が15日夜、パリ北東の郊外パンタン(Pantin)の自宅前で強盗にナイフを突きつけられ、約130万ユーロ(約1億7000万円)の価値がある愛用のチェロを奪われた事件で17日、盗まれたチェロが無事に持ち主の元に戻った。
チェロ奏者のオフェリー・ガイヤール(Ophelie Gaillard)さんはAFPに対し「昼前に匿名の電話があって、家の前に止まっている車の中に私のチェロがあると言われたんです。後部座席にありました」と語った。
その車の窓ガラスの一枚が割られていた。ガイヤールさんはすぐにチェロを手にしてから警察に通報した。
ガイヤールさんは15日夜、自宅前で強盗にナイフを突きつけられ、チェロと携帯電話を奪われていた。強盗は徒歩で逃走した。
ガイヤールさんは「泥棒はとても凶暴だったので、2日間眠れませんでした。チェロが見つかって心底安心しています。2日間の悪夢からようやく覚めることができます。奇跡です」と語った。
このチェロはCIC銀行がガイヤールさんに貸し出しているもので、約130万ユーロの価値がある。伊ベネチアの最高峰クラスのチェロ職人マッテオ・ゴフリラー(Matteo Goffriller)の息子で弦楽器職人のフランチェスコ(Francesco Goffriller)が1737年にウディネ(Udine)で製作した。
チェロが入っていたケースには、19世紀のフランスの楽弓職人ジャン・ピエール・マリ・ペルソワ(Jean Pierre Marie Persoit)が1825年ごろにパリで製作したものだという愛用の弓も入っていた。
ガイヤールさんは2003年、フランスのクラシック音楽賞で最優秀インストゥルメンタル・ソリストに選ばれた。(c)AFP