【2月17日 AFP】オーストラリア・シドニーの沖合を航行していたクルーズ船内で乱闘騒ぎを起こし数人が負傷したとして、16日、同じ親族の23人が船から降ろされていたことが明らかになった。地元メディアが報じた。シドニーでは数日前にも、同様の理由で別の船が港に引き返すことを余儀なくされている。

 地元の警察当局は、南太平洋10日間のクルーズに出ていたカーニバル・クルーズ・ライン(Carnival Cruise Line)の客船がシドニーの港に寄港した後、成人男女、子どもを含む同じ親族の23人を船から降ろした。

 乗客が撮影した動画には、船内で十数人が乱闘し、乗組員らが暴力をやめさせようと割って入ろうとする様子が捉えられている。

 報道によれば、数日間、この親族は他の乗客たちをおびえさせていたという。地元紙ヘラルド・サン(Herald Sun)は目撃者の証言として、「子どもが泣いたり怖がったりするので親たちは自分の子をプールから出していた」と伝えている。

 また同紙によれば、親族のうちの数人は船から降ろされる前に「軟禁状態」に置かれていたという。豪ABCは、クルーズ中にけんかが起きているところを7回は見掛けたという別の目撃者の話を報じている。

 警察は今回の件について捜査を進めているが、今のところ訴追手続きは取られていない。

 この数日前には、別のクルーズ船が、トイレに並ぶ列をめぐるけんかが原因でシドニーの港に引き返すことを余儀なくされ、12日にロシア国籍の女が男性をワインボトルで暴行したとして訴追された。(c)AFP