【2月17日 AFP】エチオピアは16日、国家非常事態を宣言した。同国ではこの1週間に最大州でのストライキ、大規模な政治犯釈放、そして首相の電撃辞任が立て続けに起きていた。

 エチオピア放送協会(EBC)は閣議決定に言及し、「現時点をもって非常事態が宣言された」と報じた。この非常事態宣言に期間の定めはない。

 エチオピアが前回非常事態を宣言したのは2016年10月。同国最大の民族オロモ(Oromo)人が居住するオロミア(Oromia)州と隣のアムハラ(Amhara)州で数か月にわたる抗議デモが起きたことを受けて非常事態が宣言された。

 この時の非常事態は10か月続き、数百人が死亡、数万人が逮捕され人権団体が非難した事態の鎮静化に成功した。しかし、これら2州ではその後も反政府の機運がくすぶり続け、散発的な抗議活動が続いていた。

 先月、ハイレマリアム・デザレン(Hailemariam Desalegn)首相は拘束していた一部の政治犯の釈放を始めると発表していた。

 オロミア州で今週、政治犯釈放の約束を守るよう政府に求める2日間のストライキが行われ、石やこん棒で武装した若者たちが道路を封鎖し、緊張は一気に高まった。オロモ人の複数の政治家を含む数百人が釈放され、ストライキは打ち切られた。

 その翌日の今月15日、ハイレマリアム首相は現代エチオピアで初となる首相辞任を電撃的に発表。与党エチオピア人民革命民主戦線(EPRDF)に政治改革を推し進める余地を与えるための辞任だと述べ、「私自身が解決策の一部となりたい」と語った。

 しかしアナリストらは、辞任の背景には1991年から続く連立政権を構成し、それぞれが民族をベースにしている4党の結束を維持できなかったこともあると指摘している。ハイレマリアム氏は、議会とEPRDFが辞任を承認するまで暫定首相にとどまる。後任は明らかになっていない。(c)AFP