【2月17日 AFP】(更新)ロバート・モラー(Robert Mueller)米特別検察官は16日、2016年の米大統領選に介入したとして、ロシア国籍の13個人と3企業を起訴したと発表した。

 公開された起訴状によると、被告らは2014年から現在に至るまで「2016年の大統領選を含む米国の政治および選挙プロセス」への介入を共謀。米国人を装って社会的・政治的な分断を生む問題に焦点を置くソーシャルメディアアカウントを複数管理していた。

 被告らのグループはロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と親しい実業家エフゲニー・プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏の指示に従い「多数の」米国人に影響を及ぼしたとされる。この作戦には数百万ドル(数億円)の予算が投じられ、シフト制で働く「数百人規模」が関与していたとされる。

 被告グループは「米国の政治体制に不和を生じさせるという戦略的目標」を持ち、2016年半ばまでには大統領選の共和党候補だったドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の選挙運動を支援する一方、民主党候補のヒラリー・クリントン( Hillary Clinton)元国務長官に対する中傷を行うようになった。

 グループはプーチン大統領の故郷であるサンクトペテルブルク(Saint Petersburg)を拠点としていたが、被告の中には実際に米国へ渡航した者もいた。訪問先にはネバダ、カリフォルニア、ニューメキシコ、コロラド、イリノイ、ミシガン、ルイジアナ、テキサス、ジョージア、ニューヨークの各州が含まれていた。

 また、氏名は公表されていないものの、テキサス州を拠点とする米国人の政界関係者が被告らに対し、共和党と民主党の支持率が拮抗する激戦区の「パープル・ステート(紫色の州)」に注力するよう指示していたとされる。

 ただ、記者会見したロッド・ローゼンスタイン(Rod Rosenstein)司法副長官は、起訴状には「この違法活動に意図的に参加していた米国人がいたとの主張は含まれていない」と説明。また、介入行為によって大統領選の結果が影響を受けたとの結論も出されていないと述べた。(c)AFP