【2月16日 AFP】平昌冬季五輪のフィギュアスケート男子に出場するネイサン・チェン(Nathan Chen、米国)は15日、羽生結弦(Yuzuru Hanyu)との激しい金メダル争いが予想されるなか、たくさんの「くまのプーさん(Winnie-the-Pooh)」がリンクに投げ込まれる時間を有効活用すると語った。

 16日に行われる男子シングル・ショートプログラム(SP)の滑走順抽選で、羽生の直後に滑ることが決まった18歳のチェンは会見に臨み、「ユヅ(羽生)の次に滑ったことは何度かある。プーさんが観客席から雨のように降り注ぐ間、自分にできることは準備をしておくことだけ。ぬいぐるみが片づけられる間、準備の時間が増えるのは良いことだ」とコメントした。

「滑走順についてはそのまま受け止めるし、以前にも彼の次に滑って良いスケートができた。彼が滑った直後は、いつも観客が熱狂しているから、それを有効活用するつもりだ」と話したチェンはまた、平昌五輪で最大のライバルとなる羽生が、重傷に見舞われた昨年11月から久しぶりに復帰を果たしたことを喜んでいる。

 昨シーズンでは、羽生との直接対決を制して優勝した経験を持つ唯一のスケーターであるチェンは、「ユヅが練習に戻ってきてくれて最高にうれしい。ハビエル(・フェルナンデス〈Javier Fernandez、スペイン〉)、ショウマ(宇野昌磨〈Shoma Uno〉)、ボーヤン(金博洋〈Boyang Jin、ジン・ボーヤン、中国〉)たちが一緒にそろった途端、全体的に雰囲気が高揚して全員の気合が増した」と明かした。

「氷上でのユヅルの存在感は圧倒的だ。それが自分たちを鼓舞し、気合を入れてくれる。彼には本当に刺激を受けているし、この数年間は新しい4回転や、新たな挑戦、そして別のレイアウトを出すモチベーションになっている」

 米国が銅メダルに輝いた団体戦の男子シングルSPで緊張感をみせ、ミスを連発してしまったチェンは、16日にリンクに上がることが待ちきれない様子で、「団体戦に続いて、もう一つメダルがほしい。団体戦が自分のモチベーションになっているし、個人戦でももらえるように願っている」と話した。(c)AFP