【2月15日 AFP】平昌冬季五輪は15日、フィギュアスケート・ペアのフリースケーティング(FS)が行われ、北朝鮮の廉太鈺(Ryom Tae-Ok、リョム・テオク)/金柱希(Kim Ju-Sik、キム・ジュシク)組は南北双方からの温かい声援に支えられ、前日のショートプログラム(SP)に続くパーソナルベストを記録した。

 16組中11番目でフリーに進んだペアは、ディアンヌ・ジュステール(Diane Juster)作詞の「私はシャンソン(Je suis qu'une chanson)」に乗せてこの日も良い滑りを見せた。

 200人を超す北朝鮮の自称「美女軍団」が、3回転ツイストリフトやダブルアクセルに合わせて大きな歓声を上げる中、ペアはこれまでの最高点を4点以上も上回る124.23点をマークし、合計で193.63点を出した。13位とメダルをつかむことはできなかったが、演技は会場の韓国人の心をつかんだ。

 2人は観客に手を振りながら会場を後にし、金柱希は「始まる前はすごく固くなっていましたが、リンクに入るとわれわれの応援団と南の人たちが一緒に応援してくれているのが見えて、すごく勇気が湧きました。南の人々に感謝いたします。ここでの五輪にとても感激しました」と話した。

「最初は緊張していましたが、応援の声を聞いて気持ちが高ぶり、力がでました。最後の方はきつかったけど、声援のおかげで力を絞り出すことができました」

 平昌五輪には北朝鮮から22人の選手が参加しているが、予選を突破したのは廉/金組だけで、残りは一部で「平和五輪」と呼ばれるきっかけとなった南北合意を経て、特別に招待されている。北朝鮮の度重なるミサイル実験が原因で国際的な緊張が限界近くまで高まっていたため、2人の出場も、五輪直前に南北がにわかに再接近してようやく確定した。(c)AFP