中国で再拘束の香港書店経営者、動画で過ち認めスウェーデンを批判
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【2月11日 AFP】中国政府高官に関するゴシップ本などを扱う香港の書店経営者の桂民海(Gui Minhai)氏(53)が中国本土で再拘束された問題で、桂氏がスウェーデンを批判する動画が9日、公開された。拘束されて以降、消息不明となっていた桂氏が姿を見せたのは約3週間ぶり。
中国生まれでスウェーデン国籍を持つ桂氏は難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患っている可能性があり、スウェーデン人専門医の診断を受けるために先月、スウェーデンの外交官2人とともに寧波(Ningbo)から列車で北京(Beijing)に向かっていたところを車内で警官に連行された。当時の詳しい状況は不明。桂氏が中国で身柄を拘束されたのはこれが2度目だ。
報道によると公開された動画は9日、中国当局が指定したメディアのみを対象に設定した桂氏の「インタビュー」を撮影したものとされる。
桂氏の拘束をめぐっては、スウェーデンや欧州連合(EU)、米国が同氏の釈放を中国に求め、スウェーデンのマーゴット・バルストロム(Margot Wallstrom)外相は中国当局による桂氏の拘束を「野蛮」と非難していた。
しかし桂氏は動画の中で、自身が拘束されたことを「センセーショナルに取り上げている」とスウェーデンを批判。「私の身に起きた出来事を大げさに扱わないでくれと主張してきたが、スウェーデンはやめようとしない」と述べ「自分が公の場に出ていって言わなければならないと思った」と話した。
また、自身は審理中の訴訟があるため出国を禁止されている身なのに中国を出るようにスウェーデンの当局者から圧力をかけられたと語っている。「何度も断ったが(スウェーデンが)絶え間なくけしかけてくるので折れてしまった」
さらに桂氏は「振り返ってみると、私はスウェーデンの『将棋の駒』だったのかもしれない。彼らに扇動され私は法を犯した。素晴らしい人生が台無しになった。私はもう二度とスウェーデンを信用しない」などと発言している。
こうした桂氏の発言が強制されたものかどうかは不明だが、桂氏はすぐ背後に警官2人が控えた状況で語っており、親しい友人は発言を「信じることはできない」と話した。(c)AFP/Dan Martin