【2月11日 AFP】平昌冬季五輪は11日、フィギュアスケート団体戦の各種目が行われ、女子シングル・ショートプログラム(SP)ではOAR(ロシアからの五輪選手)のエフゲニア・メドベデワ(Evgenia Medvedeva)が自己最高の81.06点を記録し、団体と個人の金メダル獲得へ大きな期待を抱かせる演技を披露した。

 世界女王に2年連続で輝いているメドベデワは、欧州選手権(ISU European Figure Skating Championships 2018)では同じロシア出身で同門のアリーナ・ザギトワ(Alina Zagitova)にタイトルを明け渡した。ザギトワの演技が次週に控える中で、メドベデワとしては自らの存在感をアピールし、気持ちが落ちていないことを示すためにも、この日は特別なものを見せる必要があった。

 2日前の男子シングル・ショートプログラム(SP)でミハイル・コリヤダ(Mikhail Kolyada)が不本意な出来に終わり、さらにアイスダンス・ショートダンス(SD)でテッサ・ヴァーチュー(Tessa Virtue)/スコット・モイア(Scott Moir)組がさすがの演技を見せた首位カナダに点差をつけられていたため、チームが2大会連続で金メダルを獲得するためにも、メドベデワには最高の演技が求められていた。

 とはいえメドベデワにとって、欧州選手権は負傷から2か月ぶりの復帰戦。それから3週間が経った江陵アイスアリーナ(Gangneung Ice Arena)では、フレデリック・ショパン(Frederic Chopin)の『ノクターン第20番(Nocturne in E flat major)』に乗せて落ち着きと洗練性を兼ね備えた完璧な滑りを見せた。

 国家ぐるみの薬物違反でロシアの五輪参加が禁止されているため、メドベデワら出場を認められたロシアの選手は、個人資格で五輪に出場しており、国旗の使用も認められていない。それでも、客席にロシア国旗の3色が目立つ中で自身初の五輪のリンクへ滑りだしたメドベデワは、3回転フリップ、3回転トーループから始まる演技でジャッジから最高の評価を引き出し、2位のカロリーナ・コストナー(Carolina Kostner、イタリア)に大差をつける自己ベストを記録した。

 ペアでは2010年のバンクーバー冬季五輪で金メダルを獲得し、平昌の開会式ではカナダの旗手を務めた実績十分のヴァ―チュー/モイア組が、サンバとルンバ、チャチャを組み合わせたリズムに乗せた演技を披露し、前回銀メダルのカナダを首位に押し上げた。

 団体戦はこの日、ペアのフリースケーティング(FS)までが終わり、カナダが45点で首位となり、2位にOAR、3位に米国、4位にイタリア、5位に日本が続いている。残りの男女シングルのFS、アイスダンスのフリーダンス(FD)は12日に行われる。(c)AFP