平昌五輪開会式に侵入者、パフォーマーに近づくも警備員に取り押さえられる
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【2月10日 AFP】平昌冬季五輪の組織委員会は9日、開会式でステージに近づいた韓国人の男性が警備員に取り押さえられ、退出させられたことを明らかにした。
侵入者は大胆にも、ステージ後方に設置された氷の傾斜台を滑り降り、パフォーマー2人に近寄ろうとして警備員にねじ伏せられた。
この侵入事件は、韓国と北朝鮮の南北合同チームが白と青の統一旗を先頭にスタジアムへの入場を終えた後に発生し、政治的動機による妨害行為であった可能性も示された。警察は事件を捜査していたが、逮捕者は出ていないとしている。
平昌冬季五輪組織委員会(POCOG)の広報担当者はAFPに対し、「侵入者は韓国人の観客1人で、ステージから遠ざけられた直後にスタジアムから退出させられた。この男性は勾留されていないが、警察が状況を捜査している」と述べた。
気温が氷点下の中で行われた開会式では、南北合同チームが一緒に行進し、韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領が金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の実妹、金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo-Jong)氏と握手を交わすなど、関係が凍りついている朝鮮半島に五輪融和が刻まれた。
しかしながら、会場の1ブロック離れた場所では数十人が、北朝鮮の選手らが大会に姿を現したことに猛反発し、怒りを募らせて同国の旗を引き裂く場面もあった。
南北合同チームが五輪で一緒に行進するのは2006年トリノ冬季五輪以来で、2000年のシドニー大会と2004年アテネ大会の両夏季五輪開会式でも、象徴的な両国そろっての入場行進を実現している。(c)AFP