たばこ試験で不正か 仏団体、JT子会社などを告発
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【2月10日 AFP】フランスの反喫煙団体「国民反喫煙委員会(CNCT)」は、たばこのフィルターに微細な穴を空けることによって製品に含まれる有害物質の濃度を実際よりも低く申告していたとして、日本たばこ産業(JT)子会社のJTインターナショナル(JTI)を含む世界たばこ大手3社を告発した。
CNCTは、フィルターの側面に空いた小さな穴によって、たばこの煙に含まれるタールとニコチンの濃度が法定基準に適合しているかどうか、当局が正確に判定できなくなっていると主張。生命を危険にさらしているとして、JTI、米フィリップ・モリス(Philip Morris)、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の3社を告発した。
フィルターに微細な穴を空けたたばこの構造は1950年代から採用され始め、この穴から新鮮な空気が入ることで、吸った煙がより軽く、より健康的になると宣伝されていた。
しかしCNCTは、機械を使った製品検査では穴によってタールとニコチンの濃度が大幅に低下するが、人がたばこを吸う時には指と唇で穴がふさがれるために空気が入りにくく、その分、煙を希釈する効果が薄れるとしている。
同団体は1998年から2006年にかけて行われた学術研究を引用し、「喫煙者が実際に吸い込むニコチンの量は2~10倍、タールの量は5倍に上る」と説明。また、フィルターの穴が指でふさがれる問題をめぐっては1982年にフィリップ・モリスとBATの間で訴訟があったとし、大手たばこ企業はかなり前から事態を把握していたと指摘している。
同団体の弁護士がAFPに語ったところによると、告発は1月18日、パリの検察当局に対して行われた。オランダとスイスでも反喫煙活動家が同様の法的措置に出ているという。(c)AFP