【2月9日 AFP】韓国で9日に開幕した平昌冬季五輪で、大会公式パートナーのサムスン電子(Samsung Electronics)が参加選手らに提供している特別仕様の最新型スマートフォンを、イラン選手団に無償配布するかどうかをめぐり外交問題に発展していた騒動で、大会組織委員会は同日、イラン側に正式に謝罪した。

 騒動は7日、組織委側が、五輪会場や競技の情報が閲覧できるサムスンの「ギャラクシーノート8(Galaxy Note 8)」を、イランと北朝鮮の選手団にはサムソンが配布しない可能性があると言及したことに端を発していた。

 その理由について同委は当初、「現在適用されている国連(UN)制裁のため」としていた。ただイランに対する国連制裁は、武器および核技術関連以外については2015年に解除されている。

 組織委は後にこの見方を撤回したものの、イラン側は激怒。サムスンの商品はイランでも広く普及しているが、イラン選手団は全面的な謝罪があるまでスマホの受け取りを拒否する姿勢を表明した。

 国営イラン通信(IRNA)は、通信情報技術相が問題の調査に乗り出し、サムスンの携帯電話に対し禁輸措置を講じるかどうか検討に入ったと報じていた。

 組織委の李熙範(イ・ヒボム、Lee Hee-beom)会長は9日、イランチームに対し「誤解を謝罪する」文書を送ったことを認めた。ただその誤解の原因については説明しなかった。(c)AFP