【2月9日 AFP】台湾東部を襲ったマグニチュード(M)6.4の地震で、大きな被害を受けた人気観光地の花蓮(Hualien)では、9日も懸命の救出活動が続き、損壊したビルからさらにカナダ人2人の遺体が収容された。これで地震による死者の数は12人となった。

 地震により大きく傾き危険な状態にある12階建ての雲翠(Yun Tsui)ビルでは、多くの救助隊員ががれきをかき分けながら捜索に当たった。同ビルにはホテルや住居が入っていたが、建物が50度近く傾斜しており、崩落の恐れから救出活動は困難を極めている。

 台湾政府は声明で、「スペースが狭いことから救出活動は困難だったものの、救助隊は厳しい作業を続け、カナダ人2人を発見した」と発表した。2人は医師により生きている兆候がないと判断され、葬儀場へと遺体が運ばれたという。

 これで地震による死者の数は12人に増加。うち9人は雲翠ビル内で死亡した。

 その一方で花蓮市長は、一部損壊した建物のうち3棟で、「市民の安全を維持するため」、人々を退去させた後に解体作業を始めたと発表した。また当局が建築基準の違反がなかったかどうかの調査を行うとしている。(c)AFP