【2月8日 AFP】ノーベル文学賞(Nobel Prize in Literature)候補にたびたび取り沙汰される韓国文学界随一の詩人、高銀(コ・ウン、Ko Un)氏(84)が、別の著名な詩人が発表した詩によって過去の性的虐待の非難を浴びている。

 女性詩人の崔泳美(チェ・ヨンミ、Choi Young-mi)は最近発表した作品「怪物(Monster)」で、「En」という名の詩人から受けたというセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)について記述。ただ、崔氏は詩の中でEnが誰なのか明確には特定しておらず、その後のテレビインタビューでも明らかにしていない。

 しかし、登場人物の経歴の詳細が高氏と一致。韓国メディアや評論家らも同一人物であると結論付けており、ある新聞では「崔泳美、高銀の正体を暴く」との見出しが躍った。

 元仏教僧の高氏は現代詩の作家として韓国で最も高い評価を受けている詩人の1人で、北朝鮮との統一を強く支持する積極的な政治活動家としても知られている。

 家父長制の価値観が根強く残り、今も女性にはつつましさや従順さが望まれる韓国では、このようなセクハラ告発は非常に珍しいという。(c)AFP/Jung Ha-won