平昌でノロウイルス患者が3倍に、組織委は緊急対策に躍起
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【2月8日 AFP】平昌冬季五輪組織委員会(POCOG)は7日、開催地の韓国・平昌(Pyeongchang)で感染力が極めて高いノロウイルスの患者数が3倍近くに増えたことを受け、アスリートへの大流行を阻止するための緊急対策に乗り出した。
ここまで計86人に上っている感染者の中にアスリートは含まれておらず、POCOGは平昌五輪の開幕を目前に控える中、患者数を増やさないために全力を尽くしていく姿勢を示している。ウイルスが選手に拡散し、その中に一人でもスター選手が含まれるようなことがあれば、開催国の韓国にとっては大失態をさらすことになる。
韓国疾病予防管理局(KCDC)は記者会見を開き、嘔吐(おうと)や下痢などの症状を引き起こすノロウイルスの感染拡大について警告し、どのような対策が取られているか概略を説明。さらに、「2月6日の時点では患者数は32人だった。しかし、きょうは新たに54人が確認され、ノロウイルスの患者は合計86人に上っている」と公表した。
「(アスリートの中に)感染者は1人も確認されておらず、それが最も重要なことだ。韓国入りした選手たちは、この数年間練習してきたパフォーマンスを披露している。選手が実力を発揮することや、大会を楽むことを妨げるようなアクシデントが起きないように、われわれは全力を尽くしていく」
患者のうち3人はメディア村の調理スタッフで、ウイルスは汚染された食べ物や水からも拡散する可能性がある。今週はじめにはノロウイルスの大流行を受け、1200人の警備員が業務から外れて隔離され、代わりに五輪会場の警備には韓国軍の兵士が投入された。
警備員は全員が警備会社のスタッフで、平昌の若手育成施設に宿泊していたが、ウイルスの感染源とみられている同施設は選手村からは離れている。(c)AFP