【2月7日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は6日、多数の死者を出している同国の「麻薬撲滅戦争」を非難する欧州連合(EU)を「ばかな組織」と一蹴し、今年ブリュッセルで行われる予定のアジア欧州会議(ASEM)の首脳会合への招待を断ったと明らかにした。

 ドゥテルテ氏はフィリピンにとって第2位の貿易相手であるEUを痛烈に批判するとともに、自身が推し進める犯罪取り締まりに対する欧州諸国の非難には口をつぐむようなことはしないと強調した。

 ドゥテルテ氏の目玉政策である麻薬撲滅戦争ではこれまでにおよそ4000人が殺害され、欧州諸国が非難の声を上げているほか、人権団体などはドゥテルテ氏が人道に対する罪に当たると指摘している。

 ドゥテルテ氏は政府職員らを前に「あのばかな組織のEUから招待があった」と述べ、欧州理事会(European Council)のドナルド・トゥスク(Donald Tusk)常任議長(EU大統領)から10月に行われる予定のASEM首脳会合に招待されたことを明らかにした。

 ドゥテルテ氏は、「『何のために? お前たちは私をそんな人間だと考えていたのに、なぜ評価を変えたのだ?』と言ってやった」とEUの姿勢を批判。さらに「お前たちは私を侮辱するつもりなのか? 私もお前たちをののしってやろう。私を侮辱するようなまねはやめろ」とまくし立てた。(c)AFP