【2月6日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は5日、バチカンを訪問し、ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王と会談した。トルコの大統領がバチカンを訪問するのは約60年ぶり。シリアのクルド人勢力への軍事作戦を進めるトルコに対する反発が高まる中でのエルドアン氏の訪問に、バチカンに隣接するイタリア・ローマ中心部では警察がデモ禁止令を敷いた。

 エルドアン氏とフランシスコ法王との会談は50分に及び、トルコ情勢や難民問題、中東情勢などを協議したとみられる。法王庁によると二人は「特にエルサレム(Jerusalem)の地位に言及」し、「人権と国際法を尊重し、対話と交渉を通じて平和と安定を促進する必要」を強調したという。

 法王からエルドアン氏には平和と正義の象徴である、「戦争という悪魔」の首を絞める天使が描かれたメダルが贈られた。

 一方、バチカン周辺ではクルド系の少人数の団体が抗議活動を行って警察と衝突し、2人が身柄を拘束された。

 トルコは先月20日から、自国の領土への脅威となる「テロ組織」とみなすクルド人民兵組織「クルド人民防衛部隊(YPG)」に対する軍事作戦「オリーブの枝(Olive Branch)」をシリア北部で展開している。

 シリア系クルド人の男性はAFPのインタビューで、エルドアン氏を「人殺し」と呼び、法王は同氏に会うべきではなかったと批判した。(c)AFP/Catherine MARCIANO