【2月6日 AFP】ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)首相は5日、ドーピング違反による永久追放処分を取り消された15人の同国選手とスタッフが平昌冬季五輪に招待されなかったことについて、国際オリンピック委員会(IOC)の決定を批判した。

 メドベージェフ首相は自身のフェイスブック(Facebook)に、「IOCの専門委員会は恥知らずの決断を下した。この決定は不当かつ非合法であり、道徳心に欠け、政治的圧力を感じるものである」と投稿した。

「この問題は裁判で決着がついている。それなのに、自分たちの存在を裁判所やIOC、アスリート、そしてファンよりも上に置く集団によって裁定が覆された。今回の決定はスポーツ界ではほとんど例がない。その目的は、ロシアに政治的ダメージを与えることだ。今や政治が法の秩序と良識を打ち負かしている」

 メドベージェフ首相の発言に先立ちIOCは同日、ドーピング違反で五輪を永久追放処分となり、先日制裁が解除された15人のロシア選手とスタッフについて、平昌五輪には招待しないと決定した。

 この15人は、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が1日にドーピング違反による五輪永久追放処分を解除したロシアの選手28人のうち、現在も現役の選手13人と引退してスタッフとなった元選手2人。残る13人は選手活動を引退したか、未開示の何らかの理由によって五輪出場が認められていない。

 IOCは国家ぐるみの薬物違反が明らかになったロシアに対し、9日に開幕する平昌五輪への選手団派遣を禁止した。しかし、潔白を証明した169人のロシア選手は、中立旗の下で出場する予定となっている。(c)AFP