【2月6日 AFP】数十年にわたり治療と称して少女らを性的に虐待していた米体操連盟の元チームドクター、ラリー・ナサール(Larry Nassar)被告の裁判で、米ミシガン州シャーロット(Charlotte)の裁判所は5日、新たに40年から125年の禁錮刑を言い渡した。

 同被告は、米体操連盟の著名チームドクターとしてのほか、ミシガン州立大学(Michigan State University)の診療所でも女性や少女を性的に暴行した罪を認めており、昨年12月に児童ポルノ所持の罪で禁錮60年、今年1月には性的虐待の罪で最大175年の禁錮刑を言い渡されていた。

 今回言い渡された量刑は、ミシガン州の体操トレーニング施設で行われた性的虐待に対するもので、司法取引後に科されうる最高の量刑となった。

 ジャニス・カニングハム(Janice Cunningham)判事は「これをもってラリー・ナサール被告に対する刑事訴訟は終わる。被告がもたらした感情的・身体的苦痛がこれで終わることにはならないことは承知している」と述べた。

 ナサール被告による被害は20年以上に及び、これまでに五輪出場者を含む体操選手や大学の選手ら265人前後が被害を公表している。今回の審理では、過去3週間にわたって約200人の女性や少女、そして被害者の家族が、虐待被害やその影響についてナサール被告の前で痛ましい証言を行った。(c)AFP/Rena Laverty