【2月5日 AFP】イタリア中部マチェラータ(Macerata)で銃撃によりアフリカ出身者6人が負傷した事件で、逮捕された極右主義者の男が取り調べに対し、事件前日に同じ町でナイジェリア出身の難民申請者がイタリア人女性の殺害容疑で逮捕されたのが引き金になったと話していることが分かった。地元メディアが4日、報じた。

 逮捕・拘束されたルカ・トライーニ(Luca Traini)容疑者(28)は3日、車内から発砲し、男性5人と女性1人が負傷した。6人はガーナ、マリ、ナイジェリアの出身だった。

 事件の前日には、同じマチェラータでナイジェリア出身の難民申請者で麻薬密売人の男が、イタリア人女性(18)を殺害した容疑で逮捕されていた。女性の遺体は切断され、スーツケースに詰められた状態で発見された。

 イタリアの全国紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)が伝えたところによると、容疑者は捜査官らに「ジムに向かって運転している時に、18歳の少女のニュースをラジオで聴いた」「無意識に方向転換して自宅に戻り、金庫を開けて銃を取り出し、皆殺しにしようと決めた」と供述した。

 報道によれば、容疑者は襲撃後に車を降り、イタリアの国旗を肩に掛けてファシスト式の敬礼をしながら、「ビバ・イタリア(イタリア万歳)」「イタリアはイタリア人のものだ」などと叫んだとされる。

 警察が容疑者の母親の自宅を捜索したところ、ナチス・ドイツ(Nazi)の指導者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の著書「わが闘争(Mein Kampf)」や、イタリアの独裁者ベニト・ムソリーニ(Benito Mussolini)の著書などが見つかった。(c)AFP/Francesco CARVELLI