低海抜のマーシャル諸島、最大級の大潮で首都浸水の恐れ
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【2月3日 AFP】海抜が低い西太平洋の島しょ国マーシャル諸島で3日、最大級の大潮「キングタイド(King Tide)」によって首都マジュロが浸水する恐れがあるとして、緊急対策当局らが警戒にあたった。
気象当局は、マーシャル諸島では3日夜から6日にかけて満潮時に「大規模な浸水」の恐れがあると注意を呼び掛けており、海抜の低い同国の海面上昇に対する脆弱(ぜいじゃく)性が改めて浮き彫りになった。
人口3万人のマジュロが浸水に備える中、トニー・ムラー(Tony Muller)公共事業相は3日「われわれは6日まで警戒態勢を維持する」と述べた。
浸水した際に緊急対策班らが速やかに対応できるよう、マジュロの要所にはブルドーザーなどの重機が配備されている。
マジュロは多数の小島からなる環礁で、その海抜はわずか1メートルほど。小島をつなぐ長さ50キロの一本道はしばしば浸水に見舞われ、封鎖されている。
災害対策当局も厳戒態勢を取るよう呼びかけ、2日は初めて大規模なメールシステムを使って高潮注意報を出した。
近隣の米領グアム(Guam)の米国立気象局(NWS)も3日朝、「30~60センチの大規模な浸水が、特に満潮時に起きる恐れがある」として注意報を出した。
極端に大きな潮の満ち引き「キングタイド」は、マーシャル諸島で年の初めにおきる自然現象で、月が地球に最接近する満月時と新月時の強い月の引力で生じる。(c)AFP