粉ミルクのサルモネラ汚染、10年以上継続か 仏研究所が指摘
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【2月2日 AFP】フランスの乳製品大手ラクタリス(Lactalis)製の粉ミルクがサルモネラ菌に汚染され、乳児数十人が食中毒を発症した問題で、仏パスツール研究所(Institut Pasteur)は1日、同社製品の汚染が10年以上前から続いており他にも被害者がいる可能性を指摘した。
ラクタリスの粉ミルク汚染は昨年12月、フランスとスペインで少なくとも38人の乳児がサルモネラ菌感染により体調を崩したことから、当局が世界規模での製品回収を命じる騒ぎとなった。
パスツール研究所によると、全く同じサルモネラ菌株が原因で2006年~16年に少なくとも25人が食中毒になっており、感染経路をたどると、今回汚染が発覚したフランス北東部のラクタリスの工場が菌の出所とみられるという。
ラクタリスは、仏北西部クラオン(Craon)の工場にあるミルク乾燥用の蒸発タワーでサルモネラ菌が検出されたにもかかわらず、粉ミルクそのものから検出されたわけではないとの理由で発表せず、隠蔽(いんぺい)していたとして猛烈な批判にさらされている。このため、同工場では以前から汚染が起きていながら見過ごされていたのではないかとの懸念が出ていた。
問題の工場については、ラクタリスが買収する前年の2005年に子ども146人にサルモネラ菌感染による食中毒を引き起こしていたとの指摘がある。
パスツール研究所のフランソワグザビエ・ベイユ(Francois-Xavier Weill)氏はAFPに対し、「2005年と2017年に起きたサルモネラ食中毒の菌株は全く同一だった」と説明。「唯一考えられる仮説は、問題の工場内に菌が残っていたというものだ」と述べた。
一方、ラクタリスのエマニュエル・ベニエ(Emmanuel Besnier)最高経営責任者(CEO)は1日、05年と17年の大規模感染を引き起こしたサルモネラ菌がクラオンの工場で検出された同一株だったことは認めつつ、粉ミルクから見つかったわけではないと強調した。(c)AFP